2010/10/08
前回はタシュケントのシルクロード的なる部分として、市場をみた。
つづいて今回は、ウズベキスタンのイメージとして最も思い浮べやすい、青いモスクを見てみたい。
サマルカンドやブハラなどの地方都市でのものが有名だが、首都タシュケントでも見ることができる。
チョルスーバザールの北に位置する「バラク・ハーン・メドレセ」、「ジュマ・モスク」、「カファリ・シャーシ廊」が集まる広場には、大通りから一歩入ったザルカイナル通りを歩いていくのがよい。
入口があまりにも目立たず、なかなか見つけられなかった。車がすれ違えるかどうかの、両脇に伝統的な家屋が立ちならぶ静かな道だ。
イスラム美術、建築に、多くの人がそうするように観光向けの産物だと切り捨ててみてもしかし余りある魅力を感じざるを得ない。配列、色彩ともに魔術的、陶酔的な美しさがある。
もちろん現在目の前にしているものは政府が観光向けに修復したものにすぎない。実際あったものより派手にみえるような工夫もあるかもしれない。しかし、往事にしてこのようなデザイン、造形を美術した職人の技に眼を瞑って想い馳せると、感嘆する以外にないではないか!
見て分かるとおりスーフィズム画は曼荼羅に酷似している。ユングの突きつめた錬金術も曼荼羅と重なるものだった。アボリジニやインディアンやアフリカのドゴン族のもつ神話も同じところに向かうための装置だという。
いま、人間は何を得て、何を失ったのだろう。
そんなことを考えながら強い西陽のなか細密図を眺めつづけた。
(08:30)